杖歩行とは、足腰が弱くなった高齢者や、何らかの障害によって歩行が困難な人が、杖を使って体を支えながら歩くことを指します。杖にはT 字杖や多点杖などの種類があり、利用者様の身体状態に合わせて使い分けます。安全に歩くためには、杖自体の点検や、使用する床の環境確認も欠かせません。また、利用者様の不安を和らげるための声かけや、体の支え方など、介助者側の動きにも細やかな配慮が必要です。
《 実習の様子と感想 》
講習では、実習生が杖を使って歩く体験を通じて、利用者様の視点に立った歩行介助を学びました。「どちら側に立てば安心か」「いつ声をかけるべきか」など、実際に体験してみて初めて分かることも多くありました。
ある実習生は、「自分が杖を持って歩いてみたら、少しの段差でも不安に感じた」と話してくれました。
その体験から、歩行をサポートする際には『先回りの気づき』と『優しい声かけ』がいかに大切かを理解できたようです。
杖歩行の介助は、安全面だけでなく、利用者様の『心の安心感』も支える重要な技術です。今回の実習は、介護に必要な『寄り添う力』を学ぶきっかけになりました。